航海日誌

 喜界島/快晴

喜界島へ出発!

――第一弾のKIZUNAウイスキーに相応しい樽を探し出す。
与えられた重要な使命を頭の中で何度も繰り返し、私は鹿児島空港から飛び立ちました。

向かう先は、奄美群島の喜界島。飛行機の窓からのぞきこむと、さながら東南アジアのどこかと思えるような島が見えました。珊瑚礁の隆起によって形成されたこの島は、本土の風土とはまったく異なります。

この旅路に同行いただいたのは、
本坊酒造株式会社 津貫蒸溜所所長 折田浩之さん
本坊酒造株式会社 マルスウイスキー チーフディスティリングマネージャー・ブレンダー 草野辰朗さん
五島つばき蒸溜所/元富士御殿場蒸溜所チーフブレンダー 鬼頭英明さん
という錚々たる3名。

この3名が力を合わせて(旨いウィスキーができない訳がない!)と期待に胸を膨らませ、タラップを下りました。


最も歴史の古い黒糖焼酎蔵・朝日酒造

迎えていただいたのは、黒糖焼酎メーカーの朝日酒造株式会社の代表取締役社長 喜禎浩之さん。

朝日酒造は、数ある黒糖焼酎メーカーの中でも「地域性」をとても大切にしたメーカーです。サトウキビから自社で栽培し、製糖も自社工場。原料造りから製品造りまで、すべて自社で行っているのです。

折田さん、草野さん、鬼頭さんも、この造りのこだわり様には深く感銘を受けたようで、酒造りのプロフェッショナル、技術者同士の会話はいつまでも終わることがありませんでした。




ミッションは「黒糖焼酎熟成樽を選定せよ!」


『KIZUNAプロジェクト第一弾』ウィスキーは鹿児島らしさを表現したウィスキー。選び抜かれた黒糖焼酎樽に津貫蒸溜所のシングルモルトを熟成させると、「これ以上ない鹿児島らしさ溢れるウィスキーになるのではないか?」というのが、チームで出した結論でした。

そのための黒糖焼酎樽を探すことが喜界島訪問の目的。朝日酒造ではこの黒糖焼酎をバーボン樽、ワイン樽、カルヴァドス樽など様々な樽で熟成させています。

今回、樽で熟成させた黒糖焼酎16種類に津貫蒸溜所のシングルモルトを少量足すことで、できあがりウイスキーの酒質イメージとしてティスティングしていきました。

予定時間を超えて議論して、全員の意見が終着した樽がようやく決定。


「これは面白いウィスキーになる!」みんなの気持ちが確かに一つになりました。

KIZUNAクルー 和田康佑